笑って眠れ

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探偵ミタライの事件簿 星籠の海 & ヒメアノ~ル

映画『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』と『ヒメアノ~ル』を二本立てで見てきました。

以下、ネタバレ注意。

 

 

まずは『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』の感想から。

私はミステリーが好きな方だと思っているんですけど、実は本格物と相性が良くないようで(笑)、島田荘司は短編以外挫折していたのでミタライと接するのは初めて。

映画になる前にドラマでもやっていたそうですが、そちらも未視聴。

なのでこの映画は何の知識もなく見に行きました。

本格と身構えていた割に堅苦しいところはなく、肝心の謎解きが思った以上に面白くて良かったです。

まず、冒頭に登場する謎が『最近立て続けに死体の流れ着く島』。

この島は瀬戸内海にある小さな島なんですが、ミタライは潮の流れ等から死体を流した場所を突き止め、そこで起こっていた外国人の変死事件との結びつきに気が付き、この謎を解きます。

そこで終わるかと思いきや、実は『死体の流れ着く島』ではもう一つ大きな事件が起きていたことが判明。

ある夫婦の赤ちゃんが誘拐され、夫婦は犯人の言いつけ通り身代金を届けに行ったがそのまま何者かによって拉致。夫婦が気が付いた時には目と口を縫われて棒に縛られており、赤ちゃんはそのそばで死亡していた…という痛ましい事件です。

そしてさらに、その島には『星籠』と呼ばれる伝説の水龍の目撃情報あり。島には戦国時代、信長と対峙した強力な水軍(村上水軍)がおり、最近発見された水軍絡みの古文書にも『星籠』という謎の文字が残されていた…。

死体が流れ着く事件・赤ちゃん誘拐事件・謎の星籠。一見別々の事件に見えたこれらのことが、するすると一本の糸に繋がっていくさまがとても面白かったです。

潮の満ち引きから解ける謎、歴史・古文書から解ける謎、事件現場の様子やちょっとした言葉から解ける謎と、謎解きが多岐に渡っていたのも良かった。

話が前後しますが『死体が次々と流れ着く島』というツカミも強烈でした。ホラー好きなのでこれでもう話に引き込まれたわー。

監督は大好きな『相棒』でも監督をしていた和泉聖司さん。

ミタライのドラマ版も見たくなりましたが、DVDは出ない感じかな。再放送を待ちたいと思います。

 

続いて『ヒメアノ~ル』の感想です。

これ、上映してる映画館が少ないうえにR15指定なので、マニア向け映画なのかと思いきや、平日の昼間なのに映画館にはお客さんがいっぱいでちょっとびっくり。

まずタイトルの意味なんですけど、『アノール』というのは『トカゲ』という意味で、『ヒメアノール』はその小さい種類。小さいだけに、よく補食の対象になります。つまり端的に言うと『殺されて食べられる餌』という意味らしいです。

その意味通り、映画の中では森田剛くん演じる森田が次々と人を殺します。本人が殺したいと思ったら殺す。まるで獲物を捕食するかのように、本能の赴くままです。

ただ、この森田が本格的に人を殺めるシーンは物語の後半から始まり、それまではもう一人の主人公である岡田(演:濱田岳)の日常がつづられています。

この岡田パートは時折吹き出してしまうくらいコミカルで、妙にシュールで、殺人鬼の出てくる隙間なんて無いような感じがする。でもそこに、森田が少しずつかかわってきて物語の後半でまるで覚醒したかのようにスプラッタシーンが始まります。

びっくりしたのは、その後半になってからキャスト紹介の文字が入ってきてオープニングの様相を呈すること。

「この物語はここからだ!」とでも言いたげな演出ですが、まさにその通り。

森田が常軌を逸してしまった理由は話中に少しだけ出てきます。高校生の森田が、同級生だった岡田と友達になったシーンが最後に挟まれており、それがとても切ない。

森田を演じた森田剛くんはキレそうな感じがすごくぴったりだし、岡田を演じた濱田岳くんなんてもう、この役他に似合う人いないでしょってくらいピッタリだったんですけど、ワキを固める俳優さんも良かったー。

まず、岡田のバイト先の先輩・安藤を演じたムロツヨシさん。『勇者ヨシヒコ』のメレブと同じくらいハマってた。この映画の後半の凄惨なシーンを癒してくれる役でした。死ななくてよかった(笑)。

それから岡田の彼女・阿部ユカ役の佐津川愛美ちゃん。真面目系ビッチ役が上手すぎてイラっと来た(笑)。どこかで見たことあると思ったのに上映中は全く思い出せず、帰ってきてから調べたら、愛美ちゃんは映画『蝉しぐれ』で、ヒロイン『ふく』の子供時代を演じたあの子なんですね。『ふく』は本当に清らかでピュアな役だったので、ギャップに驚きました。

レビューなんかを見ると「グロい」と書いてありますけど、私は耐性があるせいか、スプラッタなシーンはさほどたいしたことは無く、下ネタ(?)の方が印象に残った感じ。

性的なシーンがあるんですけど、普通じゃないというか、「おー、ここまで描くか」というほど妙に生々しい。

森田が人を殺すのが『本能』であったとするなら、この性的なシーンもまさに本能というか、同列にあるものとして描いていたのかな…と思いました。

余談ですが、私は大学時代、キャンパスの近くにたまたまロケに来ていた森田くんと三宅くんを間近で見たことがあります。顔が本当に小さくて、さすがジャニーズ!! と驚いた記憶があるのですが、その森田くんがここまでキレキレの殺人鬼を見事に演じていて、時代の流れを感じました。